どうして図や空間と同じようにふるまう多様体が必要なのか?

最初に多様体なるものを、リーマンが考え、ガウスが驚愕したとありましたが、高次元を考えるのと同様、私の胸にもやもやした当然のものとして多様体を空間に位相とか代数を組み込んだものとしか移りませんでした。しかし、抽象的な多様体の定義には、自然にいろいろなもの、平面状の直線全体とか、空間の中の平面全体、曲面上の模様全体、曲面の曲がり方全体が自然に入ります。

その抽象的な定義の特徴は、アトラスと言う地図を作る時の地図帳にあたるものが、重要である。このアトラスは、地図上すべての点をあますことなく被っている事である。ここでアトラスの定義を持ち出すと局所座標系とか族の説明などをしないといけなくなるので、多様体の特性だけを述べる。アトラスを用いて、多様体の材料を張り合わせる。その事によってどんなに入り組んでいる空間でも調べる事ができるようになる。つまり、多様体の抽象的な定義には、いろいろなものを自然に取り込み、その構造を明らかにするため、局所的な張り合わせができるようになっている。これが、今回の抽象化の目的の一部になると思う。

 

文章だけの表現になってしまいましたが、より具体的に本質を表現できるよう努力していきたいと思います。できれば、ご意見を頂たいです。尚、この文章は、岩波の現代数学の基礎

微分形式の幾何学(1)第一章」の内容です。他の本をと較べてもわかりやすく丁寧に書かれてあると思います。数学は、本との出合いで大きく違ってきます。