数学のノルムについて調べました。

前回、モジュラスが商の演算に関わる話をしましたが、

モジュラスはノルムとも言い、解析的なものと数論に出てくるものがあります。解析的なものは、ベクトルの距離を思い浮かべ、数論的なものとしては、共役解の積によって定義されています。

ベルトルの長さと教えられ、そのため、ノルムの抽象的な定義を見たときはなんの役に立つの?と心に留まりませんでした。

(ノルムの抽象的な定義)

(1)|x|>=0,|z|=0であれば z=0

(2)|z+w|<=|z|+|w|

(3)|zw|=|z||w|

(4)(R,Cの完備性) lim h,k→∞|Zh-Zk| Zkは1から∞までの数列

「解析的面から見た場合」

どうしてわざわざ難しい分かりにくい定義をするのだろうと思いました。

ところが、このx、y、zを行列だと思うと、なんと行列の解析性が行列の微分なるものが考えられるのです。行列の指数関数expAがべき級数展開なるものが存在でき、指数法則は、行列の指数関数について成り立ち、この指数関数の一般化(この一般化はどのように行われるのだろう?)によって、物理でも重要なリー群が出てるくとの事です。

実数を行列に置き換える、おもしろい発想ですね。すると高度なものが出てくる。いつか、行列の指数関数の一般化がリー群に繋がるのを見たいと思います。

「数論的な面から見た場合」

虚数a+biとその共役解a-biとの掛け算はa2(aの2乗)+b2(bの2乗)でルートをとれば、ベクトルと同じ長さが出てきます。それで解析と同じ名前ノルムがついていると思うのですが、数論の場合は共役解の掛け算の形になっている事に注目し、因数分解できるかどうかに使える気がします。現にクンマーは、ノルムにならない事を利用して47は素元分解不可能である事を示しました。イデアルの誕生にもノルムは役立ったと言うことです。